コラム/
WURM STUDIOという作業場②
2014年6月、それまで使用していたオーディオ・インターフェースAVID MBOX PROから、入出力系統が豊富なMOTU 828xに切り替え、DSPによるエフェクト処理や高音質なD/A処理などの機能を駆使した、新たなレコーディング・システムを構築した。無論、メインのDAWはPro Toolsである。
MOTU 828xにはDSPによるオンボード・デジタル・ミキサー「CueMix FX」が備えられている。ここですべての入出力をルーティングすることができる。入力系統、出力系統共にパラメトリックEQ、コンプレッサーをインサートすることもでき、多様なルーティングに対応可能だ。
ちなみに、828xの電源ケーブルはOYAIDE L/i 50 G5。PCとのUSB接続には当面、Vestax-neoを使用。良質なケーブルを使用することで、伝送負荷を軽減させる効果がある。サウンドの特性に大きく影響する重要な接点。
サブ・ミキサーのMACKIE 1604-VLZ3が外部機器とのルーティングに一役買っている。昨今では、ソフトウェアによる音源やシンセを扱うことが多いが、ハードウェアでの機材を同時に扱うような場合、MACKIE 1604-VLZ3は非常に便利である。ちなみに、WURM STUDIOではハードウェア音源としてROLAND SOUND Canvas SC-88ProやD-110を半常駐化。その他、古いリバーブ・マシーンSONY MU-R201などをセンド&リターンさせたりもする。
MIDIシーケンスの制作作業では、リズム・セクションとなるKORG electribeやRoland JD-Xiとの連携のもと、Steinberg Cubase Proを使って打ち込む。モニター・スピーカーは、YAMAHA HS5。この作成されたデータをもとに、Pro Toolsでレコーディングを行う際には、ヘッドフォンAKG K271MKIIを使う。ミキシングやマスタリングの仕上げ段階では、オープン型ヘッドフォンaudio-technica ATH-R70x、スピーカーJBL MODEL 4312M IIでモニタリング。場合によっては、オープン型ヘッドフォンのSENNHEISER HD 650で確認することもある。尚、828xにはビジュアルでの計器ツールも数種類装備されており、サウンドのチェック時には大変重宝している。
以前からの、《音を野太く、クリアに録るためのシステム》の継承はまったく変わらない。電源部からの不要なサージ・ノイズを抑制するところから始まり、良質なケーブルを極力短くして繋ぐ。マイクロフォンでの生録の際には、リフレクション・フィルターを立てて初期反射を抑え、サウンドを濁らせない、など。一つ一つの小さな工夫と改善が、最終的なサウンドの、記憶に残るディスポジションとなる。
〈了〉
(2014.07.08)
(改訂2016.04.21)
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